2009年04月25日

tabi0112 松井孝典「人類を救う「レンタルの思想」」

農耕牧畜とは、地球システムの物質・エネルギー循環を直接利用する生き方であり、それゆえ新しい構成要素を作って生きる生き方なのである。生物圏の中の物質・エネルギー循環に比較して、その循環の流量は桁違いに大きく、従ってより多くの人類の生存が可能になる。

人間というスケールでこのことを論じれば、この時欲望が解放されたといってよい。以来人類は、大地を、そして地球を「所有」すると、錯覚するようになった。

より多くの人が集団で住むようになり、食糧生産に直接関わらなくて生きられる人が多くなり、さまざまな分業体制が生まれ、人間圏の内部システムの構築に必要な共同体が形成され、その共同体の求心力としてさまざまな共同幻想が作られた。P7
松井孝典「人類を救う「レンタルの思想」」(ウェッジ 2007)

人類は欲望を持つ。それは潜在的に現生人類(ホモサピエンス)という種が分化した時から持っていたのだろう。しかし生物圏のなかにとどまっていた時、その欲望は分をわきまえたものにならざるをえない。

生物圏の食物連鎖に連なるということは、配分されるパイが生物圏の内部での分配により規定され、自分の欲望のままにならないからです。農耕牧畜の開始により、原理的には人類は、それまでのそうした禁欲的な生き方から解放された。

人類は約一万年前そうした選択(これまで何度となく指摘してきたように、生物圏から分化し、新たに人間圏をつくるという生き方)をした。なぜ一万年前かといえば、その頃氷期が終わり、間氷期が始まったからである。間氷期の訪れとともに気候が安定化し、毎年規則的に季節が巡ってくるようになる。季節が巡れば、同じような食糧を定期的に採取することができる。そのことに気付いた人類が、それを自ら栽培しようと考え始めたとしても不思議はない。

その時人類は労働を通じて自然の恵みを採取し安定的に食糧を得るという生き方、すなわち、自らの欲望を満足させる道のあることに気付いたのである。P24
松井孝典「人類を救う「レンタルの思想」」(ウェッジ 2007)


松井孝典との対談相手として岩井克人、糸井重里がでていたので読了。
この3人は私が教養を身につける際の案内人であった。

彼らを見ていて共感するところは、「自分の頭で考え、自分の世界観をもたない限り、自分はここにいる意味はない」というスタンスで生きているところかな。そして、そのために「わかる」と「いきる」をつなげようとしているところ。

岩井氏:
主流派経済においては、欲求(食べたい)と欲望(うまいものが食べたい)が分岐されていない。欲求だけで考慮しても、人口が増えていくと一人当たりの自然資源が低減していく。その欲求にしたがうだけでは「コモンズの悲劇」になってしまうので、それをさけるために私的所有が発明された。それが、外部不経済(乱獲)の内部化(所有権の設定)であった。

しかし松井と岩井は、主流派経済学が、所有権が人間圏で閉じたモデルであること、欲望自体の考察を勘定にいれていないことに限界を感じている。

以下、まとまっていないのでメモ程度に。(いずれ更新されます)

・未来世代の所有権?
・動物、植物、生物の所有権?
・多世界の所有権?

が議論する必要があるかということ。

・資本主義とは私的な利潤の追求を目的とする経済活動
・人はなぜ利潤を追求するのか?
・貨幣があるから
・なぜ貨幣を追求するのか?
・交換可能性があるから
・なぜ交換可能性が必要になったのか?
・価値尺度機能(何でも交換出来る)
・価値保存機能(もっていても腐らない)
・移動容易性(もちはこびやすい)
・交換可能性から貨幣自体を選好ようになった
・なぜ宛先なき貨幣(可能性自体)を求めるようになるのか?
・貨幣の前に法律があり、その前に言語がある。

ということ。

■ 参考リンク
631旅 梅原猛・松井孝典『地球の哲学』
書評 - われわれはどこへ行くのか?



■ tabi後記
更新はしていなかったが読書は習慣されていた。
テキストベースで蓄えることも習慣されていた。
だが、それを人に伝えるために編集しなおすことが習慣されていなかった。

人に言葉を伝えること。
それは著者と読者の繋ぎ目になること。
分かることは変わることでしかないことを伝えきること。

1つ1つの更新をなおざりにせずにいきたい。
posted by アントレ at 15:53| Comment(0) | tabi☆☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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