2009年05月16日

tabi0158 ダリル・トラヴィス「ブランド!ブランド!ブランド!」

ブランド構築について理解できない経営者が多いなかで、わずかだが、それについてそっと教えてくれる人もいる。そのなかには感銘するものもある。たとえば、次のような言葉だ。「偉大なブランドとは、完結しない物語なのです。それは、進化し続けるたとえ話です。そして、深遠なもの、神話を理解する根本的な人間の力と結びつくのです。人間は、物事をより高い次元で理解する必要があったのです。われわれは、自分よりも大きな存在の一部にであると思いたいのです。この意識を従業員や顧客に顕示している企業は、何か力強いものを呼び起こすのです」(中略)スコット・ベドベリーやフィル・ナイトにとって、事業は決して無味乾燥なものではない。すべてが理詰めでもない。事業の無形の部分は、建物や機械よりもはるかに重要で価値がある。ブランドをつくり育てていくことがこのうえない楽しみだ、と彼らはきっと言うだろう。P7
ダリル・トラヴィス「ブランド!ブランド!ブランド!」(ダイヤモンド 2003)


アテンションシェアという命題がアテンションを高めた時がありましたが、その時に私が考えていたのは、「誰とも比較されることなく、顧客の中で絶対的価値を持つものは可能か?」という問いでした。物理的に時間を投入していなくとも、その人間の中で比較考慮なく絶対価値をもっているものは「自分であるということ」だと考えたのでした。或る種、ブランドを拒否するもの/成立要件を探ることが哲学であるともいえると思います。

このように語ると「ブランド=常識」と転換できるように思えるが、そう単純にはいかない。というのも、消費活動においては、消費者と企業という関係性が発生し、常識が選択的になるからである。ここで使用する「関係性」とは約束とも言い換えられると思います。つまり、ブランドとは、「顧客に対する約束(契約/密約の束)」であると。この定義は教科書で掲載されるようなものだったりしますが、(tabi後記に定義史を載せました)この文をみて忘れてはいけないことは、約束というのは「2者間」で交わされるということ。

誰に(ブランドターゲット)、何を(ブランドエッセンス/提供価値)約束するか。 その前に、果たして「誰が」約束するのかということを考える必要がありそうです。 コミットメントの主体を明確にして、それを「示すこと」がブランドの第一歩なんだと思います。

逆に考えれば、主体的なコミットメントの「低い」人間や集団にブランドは生まれないということ。 言わんとすることは、 企業というものはブランドオーナーであれ、そして構成員である人間もブランドオーナーであれということかな。 (最後はトム・ピーターズ的になってしまいましたね)

■参考リンク
ブランドって何だろう(1)
仕事メモ カタカナメモ デザイン 10%
真の「ユニーク」とは何なのか。



■tabi後記
パンデミック予兆があるなか、このイベントに参加してきます。

ブランド定義史

「ブランドとは個々の製造者の製品もしくは個々の卸や小売人によって供給された商品を見分けるための手段。ブランドの強さは、消費者マインドにおける選好の程度によっている」Copeland(1923)

「ブランドは、ある販売者あるいは販売者グループの商品やサービスを識別する意図の下に競合他社のものと差別化を図るための名前、名称、符号、図案あるいはそれらの組み合わせである。」AMA(1960)

「ブランドとは、他社の製品やサービスとの違いをはっきりと示す名前、言葉、デザイン、シンボルなど。ブランドの法律用語は商標、ブランドは売り手の一つの商品、商品ファミリー、さらに全商品について、その独自性を示すものである。」AMA(1988)

「消費者はブランドを製品を構成する重要な要素とみているので、ブランド化は製品に価値を付加することができる」Kotler(1995)

「ブランドとは製品である。ただし、同一のニーズを充足するようにデザインされた他の製品とは何らかの方法で差別化するための次元をともなった製品」Keller(2000)

「ブランドは工場でも、機械でも、特許でも、創業者でも、著作権でも、ロゴマークでもない。製品でさえない。製品は工場でつくられるが、ブランドは頭の中でつくられる。ブランドはアイデンティティを示すバッジである。」Travis(2000)

「製品は消費者にとっての便益の束であり、基本価値、便益価値、感覚価値、観念価値の4つの価値階層からなる。基本価値(製品としての必須価値。最低条件)、便益価値(便利で、簡単に使用できる価値)の2つの価値は製品の品質に対応し、良い悪いの尺度で評価できる一方、感覚価値(心地よく、楽しく消費できる価値)、概念価値(品質や性能以外のストーリー性、文化性、意味、解釈が付与された価値)はブランドの生み出す価値であり、これらは良い悪いではなく好き、嫌いの尺度によって評価される。」和田(2002)

「ブランドの3つの役割は1識別機能、2品質保証、3存在感である。」 平山弘(ブランド価値の創造)

「人間には、物理的なモノによって得られる満足感以上に感情面で満たされたいという欲求がある。人間の欲求の根底にある強い願望・衝動を刺激することで、商品と消費者を感情的に結びつけるのがブランドの役割である。ブランディングとは提供する者と提供される者との間の心の感情の共有であり、信頼と対話で成り立つものだ」Marc Gobe(2002)
posted by アントレ at 12:57| Comment(0) | tabi☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。