2009年05月27日

tabi0177 オマル ハイヤーム「ルバイヤット」

なぜこの本を読むのか?

本書は「内田に何読ませたい?」企画に藤沢さんからレスポンスを下さったものです。正確には、Blogで★★★★★が付いている書籍を勧めて頂いたので、このリストから私が気になったものをピックアップして読むことにしました。藤沢さん、ありがとうございます!

434の4行詩が織りなす世界観 -人生の無常、宿命、酒の讃美-

私が引き留められたのは、最初と最後に編まれた4行詩である。これらの詩からは、人生の無常、宿命を詠っている。そして、その詩にはさまれて「酒の賛美」が詠われるという構造になっている。

一 悲哀を糧として霊魂を苦しむるは、此の厭ふべき地に棲息する人間の運命なり。故に此世を最も早く去れる者は幸福といふを得べく、更に此世に生れ来らざる者は最も幸福なり。P21

二 「永遠」の秘密は汝よりも我よりも隔たれり、宇宙の謎語は汝にも我にも解せられず、汝と我との言葉は幕の後にあり、然れども、若し幕裂けなば、汝と我とは如何になるべき。P21

二一二 我等は生命の書籍より抹殺せられざるべからず、我等は死の腕のうちに息を止めざるべからず、おお心を迷はす捧盃者よ、欣々として我に強酒を持ち来れ、我は土とならざるべかざるが故に。P130

四三四 或者は宗教と信仰とを瞑想す、或者は懐疑と知識との間に彷徨す。忽ち番人は叫んで曰く、<愚かなる者よ、汝の道は此処にもあらず、其処にもあらず>と。P243
オマル ハイヤーム「ルバイヤット」(筑摩書房 2008)


私は初読みの段階で、ルバイヤットを読むことが出来ていなかった。訳のリズムに乗れなかったこと、「酒の賛美」に意味を見いだす事が出来なかったことが大きいだろう。


幾読の果てに創出する意味

ハイヤームが示す「酒」とは何なのだろうか?前提としては、ハイヤームはそこに意味を見い出してはいないだろうということです。それを踏まえたうえで私が考えたのは、「酒」は1つの出口なのではないかということだ。

最初は<神秘的事態>にいたるための「入口」として解釈していたが、どうもハイヤームが示しているのは異なるのではないかと思えてきた。

ハイヤームが示そうとしたのは、すでに入口は閉じられている。そして、私たちは既に出口の目の前にいるということだったのではないだろうか。その出口に何があるかは分からない。出てみなくては分からない。

酒後の世界は飲んでみなくてはわからない。飲まれてみなくては何が起こるか分からない。酒を象徴とするならば、我々は何を飲み,何に飲まれているかという問いが生まれてくる。

■参考リンク
1046旅 オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』



■tabi後記
posted by アントレ at 08:02| Comment(0) | tabi☆☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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