2009年07月04日

tabi0213 丸谷才一「思考のレッスン」

問いをもち、問いをそぎ、問いをそだてる
われわれだってホームグランドは持てる。といっても、これは、よく言われる全集を読めというのとは違います。(中略)そうではなくて、自分にとっての主題というか、もっと広い意味でのホーム・グラウンドがあるようにして読む、それはおのずからできると思うんですよ。たとえばフランス革命史がホーム・グラウンドであるような読書とか、あるいは米ないし稲作という問題が自分のホーム・グラウンドであるような読書とか、それが、本の読み方のコツではないかという気がします。P149
丸谷才一「思考のレッスン」(文芸春秋 2002)


人は図書館/大型書店を回遊することによって、自らの「問い/ホーム・グラウンド候補地」を見つけ出すことができる。

あるコーナーで、ふと足がとまってしまう。ふと手にとった本を数ページを読んでみて、「これは!」と思えるものに出会えらしめたもの。その本が、あなたのホーム・グラウンド候補地になるだろう。

しかし、ここからが大事ところである。

「問いをそぎ」「問いをそだてること」というフェーズに入るからだ。

原初的な「問い」は、誰かの「問い」であることが多々ある。あなたの「問い」は、単に無知だったがために「問い=謎」という形をとっていることが大半なのだ。それを前提にしてもっておくことは非常に大切なことです。

なぜなら、最初に抱いてしまった問いを、何か神秘的なものと勘違いして、それを捨て切れない人が往々にして見かけるからだ。そこで執着しないこと。それが問いをそぐことである。

問いをそぎ、それでも残ってしまうものがある。そこから問いとの伴走がはじまる。それが「この問いをいかに育て上げるか?」というフェーズである。

このフェーズでは「比較と分析を大切にしたほうが良い」と著者はアドバイスする。「これは!」と思った著者の本、それと同カテゴリーの本、また著者が参考/推薦している本を読んでいくのだ。こういった方法で50冊ほど読破していくと、自分の中で「キーワード」が湧いてくると思う。

次はそのキーワードに基づいて「インデックスリーディング」をしていくのである。(具体的な方法は、参考リンクをみて頂きたい。)

この域に達した人は、自分の思考方法を編み出してきていると思う。その時になると、教える立場にたつ機会をえているだろう。本書を入口にして、多くの思索家が生みいでることを期待する。

■参考リンク
読書は人間がベッドの上でおこなう二つの快楽のうちの一つ


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■tabi後記
「まとまった時間があったら本を読むなということです。本は原則として忙しいときに読むべきものです。まとまった時間があったらものを考えよう。」という主張は、ショーペンハウエルを想起させる。
posted by アントレ at 21:29| Comment(0) | tabi☆☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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