2009年08月28日

tabi0270 くらたまなぶ「リクルート「創刊男」大ヒット発想術」

ちゃんと生活しながら、喜ぶ。驚く。怒る。不思議がる。
マーケティングは「人の気持ちを知る」と訳した。「いい気持ち」ももちろん参考にするので、この訳はこれでOK。しかし、マーケティングの究極の目標は、「人の嫌な気持ちを知ること」だと思っている。今とりかかっているこの市場で、このテーマで、この対象者が、
「もっともアタマにきていることは何か」
「うんざりしていることは何か」
「あきらめてしまっていることは何か」・・・。
それさえ見つければ、それを言葉にすることさえできれば、金脈を掘り当てたようなものだ。まだ商品に手を触れていなくても、サービス内容を検討していなくても、である。P103
くらたまなぶ「リクルート「創刊男」大ヒット発想術」(日本経済新聞社 2006)

ビジネス書の中で最も影響を受けている本かもしれない。手に取ったキッカケは、御立尚資「戦略「脳」を鍛える」の参考文献だったためだ。

私がこの本から学んできた事は「予断を排すること」と「無私になること」である。ビジネスを通じて、こういった学びが出来そうだと知ったのは良かった。その時の私は、目が爛々としていたことだろう。なぜなら「民俗学」や「人類学」や「哲学」に関心を持っていた人間が「ビジネス人類学」という可能性を発見したのだから。
相手がふと口ごもる、言いよどむ、視線をそらす、話題を変える・・・。それを自分の目や耳で確かめて、自分の口でキャッチボールしてみないと、なかなか「不」の核心をつかめない。何でも一人でやるっていう意味じゃない。プロジェクトが何人いても、それぞれが他人まかせにしないという意味である。当事者意識を持って、それぞれがみずから「不」をつかみとる。偉いか偉くないかも、知識も経験も性別も年齢も関係ない。個々人の手ごたえが重要だ。P104

まるで心理カウンセラーやFBI捜査官のようである。ここで示されている、くらた氏の人間観察の根底には「属性の誘惑に負けちゃダメだ。」という思いがある。そんなワナにはまったら「夢」を見つけることなんかできないのだ。

例えば、「関西人ちゅうのは簡単にカネ出さへんで〜」「30代は買わないでしょう」といった「属性の誘惑」である。まとめる集団がデカくなるほどまったくのウソではなくなってしまう。つまり、何を言ったって当てはまるのだ。だからこそ、なおさら始末が悪くなってくる。

属性を議論していれば仕事をした気になってしまう。しかしその実、仕事は止まっている。ただプロフィールを評論しあっているだけだから。属性で商売ができるほど、市場は甘くない。その事を痛感できる本である。

予断を排し、無私へと至る
いくら体験があっても、知識が豊富でも、年齢層がぴたりと一致しても、自分一人で何万人、何十万人のユーザーを代表することはできない。だからこそのヒアリングである。
「嫌いな人」「見知らぬ人」の声も聞かなくてはならないのである。変に自信があるとヒアリングがおろそかになる。オレ自身で十分だ。ま、それでも反省しながら何とか聞きまくった。「声」がたくさん集まり、だんだん核心に近づいてくる。似たような「気持ち」には容易に感情移入できるのに、自分と違うタイプの「不」には腹が立つ。共鳴できない。会議の席上で反論してしまったりする。
「家庭教師のバイトやる奴なんて、お坊ちゃん、お嬢ちゃんだけだろ、どうせ」いや面目ない。きわめて柄の悪い「自分マーケティング」の男だったのである。そんな学習のおかげで、「自分派」の人間がそばにきたら、今はこう言えるようになった。「君の意見はわかった。ところで君って何割のユーザーを代表してるんだい?」P110


■参考リンク
824旅 くらたまなぶ『MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術』



■tabi後記
Mimic Comic Workshopに参加してきた。自分たちの体を動かして、マンガのコマを作成し、10Pのマンガを作成するというものだ。3時間ほどかけて出来上がった作品は、それなりに面白いものとなった。なぜマンガは面白いのか?という問いは、これからの時代において考えなければいけないことの1つであろう。
posted by アントレ at 23:10| Comment(0) | tabi☆☆☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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