2009年09月01日

tabi0276 北野幸伯「隷属国家日本の岐路」

脱せず、入らず、いかにして立つか
日本のリーダーたちはすでに、無意識のうちに「次の依存先」を探しているのではないでしょうか?「日本は将来、中国に併合されるのではないか?」日本には現在、二つの道があります。「真の自立国家になるか」それとも「中国の天領になるか」。P23
北野幸伯「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド 2008)

北野氏は、1980年代末「ベルリンの壁が崩れるのを見て」高校卒業後、モスクワ国際関係大学に入学。それ以来、ソ連崩壊からプーチン時代までをつぶさに見てきたようだ。

本書は、防衛面だけではなく、経済・軍事・食糧・エネルギー・教育というトータルな視点で自立国家への戦略を描いている。そして、日本が真の自立国家になるためには、以下のことが必要であると語っている。

・経済の自立(内需型経済・財政の黒字化)
・軍事の自立(自国は自国で守れる体制つくり)
・食糧の自立(自給率100%)
・エネルギーの自立(自給率100%)
・精神の自立(日本の歴史・文化を重んじる教育)

ルーブル、人民元、ユーロの台頭により、ドル=基軸通貨という常識が綻びをみせはじめている。このままの流れでいくと、中国の国力が世界一に近づき、アメリカの財政赤字も本格化(=基軸通貨でなくなること)すると北野氏は考える。

次に「そのような環境化で、日本の国力(経済力と軍事力)を高めるには、どのような外交(国益の確保)を行なっていけばいいのか?」という問いに対して、国益とは「金儲け」と「安全の確保」であるとした定義し、日本が財政破綻を起こさないための施策を論じていく。

施策内容に慧眼たるものは垣間みることは出来ないが、個人が国家を選ぶ時代 が前提とされているのは興味をもてる。「いかに日本は空洞化を起こさずに、人、企業、金を呼び込むことが出来るだろうか?」北野氏は、法人税、所得税のフラットタックスを提案する。

人の呼び込みというテーマは、少子化と共に語られることが多いが、彼が移民として招くのは、いわゆる「3K移民」ではなく「日本人が尊敬出来る外国人」を対象にされている。もちろん、日本にシリコンバレーをつくろう!という安易な移転構想にも類似するところがあるのは否めない。

■参考リンク
ロシア政治経済ジャーナル
シリコンバレーをはるかに超える、世界一のイノベーション都市を、日本に作る方法



■tabi後記
ポストデモクラシーやソーシャルキャピタルに関する専門書を何冊か読んでみたが、特別な示唆や構想を感じられなかった。あなたが考え出せ、というメッセージだと勘違いしている。
posted by アントレ at 22:34| Comment(2) | tabi☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も読みました。

ロシアから見た日本という視点がおもしろかったです。
Posted by 本のソムリエ at 2010年04月10日 11:24
私も読みました。

2008年の時点で、中国の尖閣諸島への侵略を予想しているところはすごいですよね。

今回の韓国への北朝鮮の攻撃についても、北野さんは中国との事前の連携を指摘しています。
Posted by 本のソムリエ at 2010年12月04日 12:36
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