2009年09月14日

tabi0289 ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン(上)」

そしてブラックスワンもプラント化された
この本で黒い白鳥と言ったら、それはほとんどの場合、次の三つの特徴を備えた事象を指す。第一に、異常であること。つまり、過去に照らせば、そんなことが起こるかもしれないとはっきり示すものは何もなく、普通に考えられる範囲の外側にあること。第二に、とても大きな衝撃があること。そして第三に、異常であるにもかかわらず、私たち人間は、生まれついての性質で、それが起こってから適当な説明をでっち上げて筋道をつけたり、予測が可能だったことにしてしまったりする。P4
ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン(上)」(ダイヤモンド 2009)


タレブ氏は「Platonicity(プラトン化されたもの)」という用語を用い、過度に単純化させるあまりに、しばしば本質まで削ってしまう科学的なモデリングに対して批判をおこなっている。帰納にまとわりつく誤謬について何年も頭を抱えてきた人には、一般ビジネス書でこの類いの本が売れるのは嬉しいことかもしれない。

著者が指摘するように、確かに過度の単純化はモデリングにおいては致命傷である。そして、ソ連の崩壊はBlack Swanだから予想できない、911はBlack Swanだから予想できないとするのも、Black Swanの定義が「予想不可能だが、一度起きるとそのインパクトが強大で、起きた原因を後知恵解釈しかできない事象」なので、そう考えるのもありだと思う。

一方で、ベルカーブ(正規分布)批判における「単純化」という概念の「程度」について、ほとんど言及していないのが喉元を引っかかる原因となった。彼の言うBlack Swanは定性的な話で「Black Swanってあるよね、あるある」だけで終わってしまう。飲み屋において「人生って予想できないことが多いよねえ」と言っている学生の人生哲学と変わらないところが多々あるように思う。(古典的教養と文学的な表現で目を眩まされていけないのだろう)

■参考リンク
wrong, rogue and log The Black Swan
wrong, rogue and booklog
Sceptical Positivism
「ブラック・スワン」、読んだ。
ブラック・スワンとレバノン
「黒鳥」の正体 - 書評 - ブラック・スワン
ナシーム・ニコラス・タレブ「まぐれ」を読んで





■tabi後記
今日、明日とASIA INNOVATION FORUMに参加しています。
posted by アントレ at 05:58| Comment(0) | tabi☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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